なんとなくやる気になったのでまとめてみる。
ものすごく変わったものを読んでいるわけではなく、ああそれ好きならそうだよねというラインナップです。
同人誌についてはほとんどチェックしておらず、またウェブ連載もの短編などについてはちらちら見ているものの覚えておらず、そのため商業として出版されたもの限定です。
- 吉田真百合/ライカの星
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www.kadokawa.co.jpソビエトで宇宙に送られたライカ犬が人類に復讐をする話+いくつかの短編。まず装丁が黒字に金の箔押しで素敵です。己の孤独な復讐心と相反するように犬となっていく仲間たち、宇宙のきらめきの描き方が好きでした。
- 天雷様と人間のへそ―平庫ワカ初期作品集―/平庫ワカ
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www.kadokawa.co.jp昨年出していた『マイ・ブロークン・マリコ』があんまりにも良かった平庫ワカの作品集。非常にばらばらなものを扱っているものの、作品全体を通して、「自分にできそうなこと」と「自分にとってはどうにもならないこと」とのあいだの境界線をどのように引くべきかという葛藤が通底しているように見られた。後者を前者へと過剰に見積もれば見積もるほど一見すると責任感を強く持っているかのように見えるものの、それはただどうしようもないことを抱えているだけであって破綻してしまう。そうした責任のあげおろしをどうするかということを描いているように思えた。それぞれの掌編にコメントが付されていたが、そう考えると表題作でキャラクターそれぞれにパーソナリティを持たせて描くことがある種の荒療治と書かれていたが、少し得心する。I am Nobodyとコールスローのやつが好き。
- 海、のち晴れ/高見奈緒
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comic.pixiv.net去年の『マイ・ブロークン・マリコ』のような衝撃が少しあって、今年もそういうものに巡り合えてよかったと思えたもの。こうやって不安定なところから解放されて、かといってそれですべてが解決されているわけでもないけど、タイトルのようにわずかに晴れ間が見えてくるようなものが好きです。
- 急がなくてもよいことを/ひうち棚
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www.kadokawa.co.jp台詞を書かなくともコマで語らせるとはこのことで、情感たっぷりに描かれていて素晴らしいです。
- つつがない生活/INA
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to-ti.in前作の『牛乳配達DIARY』が良かったですが、今作も良かったです。映画を見にいく話と海外旅行、海外ツアーの話が好き。
- 海が走るエンドロール/たらちねジョン
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www.akitashoten.co.jpたしかに良かったけど、某漫画大賞の一位に選ばれていてびっくりした。
- 今夜すき焼きだよ/谷口奈津子
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kuragebunch.comちょうど今年の夫婦別姓の議論などが盛り上がっている時に読んで、なんてタイムリーと思ったもの。夫婦別姓に反対しているやつとかしょうもない男に投げつけたい。
- かけおちガール/ばったん
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kisscomic.comもとはいつ連載されていたかは知らないけど、書籍版がまとめて今年でたということで。私の中で谷口奈津子とばったんの二人がとても良くて、糞みたいな男とかそれに対峙するなかでのきつさ、恋愛の中での苦悩の描き方が好きです。今年は他も出してましたが、それもとても良かったです。
- スキップとローファー/高松美咲
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afternoon.kodansha.co.jpもう言わずと知れた漫画。人間関係が本当にぎりぎりで成り立っているということを描き出すのがうまい。高校一年生が終わり、二年生になる今後が楽しみ。アニメ化が決まったけど、不安で仕方ない。
- ひらやすみ/真造圭伍
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bigcomicbros.net結局こうたどってくると私は、戦う漫画とかを全く読まず、人間関係を描くものしか読んでいなくて、その類型のなかでばっちり。
- 昴とスーさん/高橋那津子
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www.kadokawa.co.jp一年に一回出るのをずっと楽しみにしてる。物語がようやく大きく動き出したところ。いつもキャラクターの表情だけではなく、背景までをも含めて感情の描き方が大好きです。メインのストーリー、キャラクターだけではなく、昴の親友やバイト先の店長など彼らもこの漫画の良さのうえで非常に重要で、好きです。
- 結婚するって、本当ですか/若木民喜
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bigcomicbros.net今年出た5巻で話がひと段落したということで。話の起承転結の作り方がお手本みたいでうまい。あと本成寺さんかわいい。
- 思えば遠くにオブスクラ/靴下ぬぎ子
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souffle.lifeただの飯漫画かなと思って一瞬敬遠したけど、そうではなくご飯のことがきっちりと生活に埋め込まれており、またただの海外生活紹介漫画でもなかったのも良かったです。
〈番外編〉
以下、漫画に関連してただ良かったこと。
『とんがり帽子のアトリエ』のこのアテンションは非常に素晴らしかったです。
とんがり帽子のアトリエの新刊読んでたらこういうアテンションがのっけられてて素晴らしいな pic.twitter.com/sgg55EmBmz
— 砂糖 翠 (@sui_sugar) 2021年7月25日
表現の自由とかいって結局、作品で描かれることによるフラッシュバックや暴力が見過ごされがちであるなかで、こうした応答ができる作者をちゃんと応援したいです。
ここまで見てわかる通り、ビームやハルタが好きな人間なのですが(あと心なしか好きな作家が不調を患っていることが多い気がしなくもない)、そのなかでも長年好きなのが『ジゼル・アラン』などを描いている笠井スイです。今年はなんと高円寺で展示をやってくれて見にいけたのが本当に嬉しかったです。
賢者の草叢、本日最終日となります。
— sui kasai *個展有難うございました (@kasai_sui) 2021年9月26日
よろしくおねがいしまぁぁぁぁす!!(鼻血 https://t.co/u3sO2vA4eI
お金がない大学院生なので絵を買えなかったのが心残り。漫画に戻ってきてくれても戻ってきてくれなくてもただ待っています。
やっぱり何か忘れていることがある気もするけど以上!