20200723日記

 おばんです。

日々手帳に数行の日記をつけているものの今日はなんとなくブログで。

 ここ数日は5月に出版されたものの海外からの発送が遅れて、ようやく届いたJane BennettのInflux & Effluxを読んでいる。ホイットマンに沿って、というものなのでやたらとわからない単語が出てくる。そしてもう少し前からアデニウムを種から育てている。アラビカムとタイソコトラナム(ソコトラナムそれ自体は生産地から持ち出し禁止らしく、オベスムと交雑して生まれたものらしい)という種類を育てている。順調に発芽し、発芽したものは全て双葉が開いた。いつか安住氏が日曜天国で「人間は年を経ると好きなものが変わってくる。最初は人とか動物とか動くもの、次は植物、そして最後は石」と言っていたが、順調にその轍を踏んでいるかのようである。

 昨年、ナナシスのHEAVEN'S RAVEがリリースされてから断続的に聞き続けている。というのも、私自身が研究の内で加速主義やら暗黒啓蒙を調べていて、それとあまりにもこの曲が肉薄しているから。どう考えてもその先には失敗しかないだろうし、その道程には矛盾しか存在しないのに、それらを抱え込みただ邁進する強大な力に魅力をやはり感じてしまいつつも、日々悪化していく世の中と重なってやはり末恐ろしくなってしまう。それを、恐ろしいほど適切に掴みだした作曲陣も末恐ろしい。

 そう、そうやって聞き続けていたにも関わらず、曲中の歌詞とタイトルとの掛け合いに気づいていなかった、ということに今日気づいた。歌詞に「天国のスレイブ」とあり、単純に「HEAVEN'S RAVE」を切り離すと「HEAVEN SRAVE」になる。

 ただ「天国のスレイブ」という言葉選びはとても面白い。この曲自体もそうであるし、私たちもいくつかの点にいてある種の天国への崇敬に縛られている。私たちで言えばポストモダンにおけるメシアニズムや潜在的なもの、曲中で言えばサビは言わずもがなだが、「思考停止の毎日へと縛り付ける常識をはぎ取ってみて痛くたってそれが本能なんだ」というようにあたかも常識や現実の下部に真実が潜んでいるという観念。

 こう考えていると思弁的実在論がある種社会と連関して出てきたと言われる所以もわからなくもない。知らんけど。