おばんです。
インターネットを眺めているとみなさんちらほらと2019年ベストアルバムなんて選出し始めているので、えいやととりあえず選んでみた。思えば、四半期ごとにやるつもりだったものの第一クォーターのみやって終わってしまっていた。
先日Twitterで、音楽の良さについて論評する際にはその客観的な良さと主観的な良さとの距離をある程度は保つべきだ、というものを見かけたが音楽について私はそういうことができない。ここに選んだものは、ほとんどがあの時に聞いていたということを明瞭に思い出せるものが多い。個人的な良さの尺度として思っているのは日常のどのようなシーンで聞き続けてもきっと耐久性のありそうなものである。本、漫画やアニメならばどこがどう良かったのかを論じることはできるものの、音楽についてはいかんせん口下手になり良かったとしか出てこないのが困りもの。
それを加味してもらいつつ寛恕してもらいつつ、おおざっぱにコメントをつけていく。
ジャケットだけを見ると暗そうだな、男性ボーカルなのかなと思って聞き始めるとそうでもない。そのややピンボケしたジャケットのように温かみのある女性ボーカル曲。秋の晴れた日に聞きながら散歩したくなる。
去年もアルバムをリリースしているがそれより断然良かった。どうでもいいことにアーティスト名の"í"と"i"は違うため、正しい発音はよくしらない。前作も他のアーティストとフィーチャリングしている曲が多かったが今作も多くある。それがいい。とりたててランキング形式にしないものの、仮にしたとき今年良かったもののなかでも上位に入れそう。
私が音楽を探す方法なんて限られており、定まったやり方としてあるディスクユニオンブラジルラテンのTwitterを見るなかで見つけたもの。今作で初めて知った。前作までは非常にジャズ色が強かったものの、そのジャズらしさを残しつつギターを前景化させている点が好みにあった。
今年はひそかにスペイン語ポップというジャンルをがんばって探すぞと思っていた。しかし、夏が終わり気づけば探すことを怠ってしまっていた。去年リリースされたBandalos Chinosが非常に良く、それに続く形で今年のスペイン語ポップで一番好き。しかし、apple musicの「スペイン語ポップ」という曖昧なジャンル付けはなんなんだろうか。
この曲について記憶を探した時出てきたのは、今年の9月末まで塾のバイトに通っていた八王子の風景だ。18時前の暗くなりかけた八王子駅の北口を歩く、そんな風景が思い出される。そういえば、塾のバイトは5年ないくらいやったために、八王子にもやはり5年くらい足を運んだが一度たりとも南口に出たことはなかった。
あとこれを書きながら、アルバムのタイトルに"Volume One"とついているが"Volume Two"の存在を知らないことに気づく。
https://music.apple.com/jp/album/35-mm/1464768714?at=10l8JW&ct=hatenablogmusic.apple.com
なぜかはてなブログのリンクの埋め込みに失敗してしまっているが、Juan Fermín Ferrarisの35 Mm。ジャズは好きなもののそれでも唄が入っているほうが好きだが、これは唄なし。一曲目で、子供の陽気な声と楽曲が織り込まれており、それがすんなりとアルバムに導いてくれる。
Juan Fermín Ferrarisのメンバーか何からしいという情報を見た気がする人のアルバム。こちらは唄もの。シンプルに良くて飽きずに聞いていられる。
これはたしかinstagramでAntonio Loureiroか誰かが勧めていて、へえと思って聞いたアルバム。総局数が19曲だがインタールード的なものも多く見た目に反して負担は全く感じられない。こう楽曲数が多いものは途中ではっとしてアルバムから途中覚醒し飽きてしまうものが多い。しかし、これにそうした瞬間はない。
前作のTwo Windowsがダークだった記憶があるものの今作は明るい。Lali Punaいいよね。
ジャケットのパンチがすごい。銀塗りってなんだかわからない。基本的にはアコースティックな構成に時々シンセが入ってくるくらいで、ジャケットほどのパンチがあるわけではない。ただしゃくりが少し特徴的で戸川純を思い出す。
https://music.apple.com/jp/album/2019/1480715497?at=10l8JW&ct=hatenablogmusic.apple.com
これもまたなぜかリンクの埋め込みに失敗しているが、Lucy Dacusの2019というアルバム。彼女は今年は一か月に一曲ずつリリースしており、それをまとめたのが本作となっている。そのためアルバムとしてのまとまりは弱いがそれぞれの曲は良い。しかし、前作のHistorianがあんまりにも良かったし、それを越せてないものの、Lucy Dacusのファンになってしまったので選んでしまった。アルバムのラスト曲が"Last Christmas"で、それが私が抱く彼女の印象とかけ離れてしまっていて笑ってしまう。ギターで引っ張るLast Christmasは爽快。
1曲目から聞くとただのフォークロアかなと思っていたが、2曲目からはシンセが加わりフォークロアとシンセポップらしさが良い感じに調和してて好きなアルバム。
かっこいい。ただ長い。聞き終わると達成感がある。
こういう女性SSWが大好きです。Lucy Dacus然り。先日リリースしていた3曲入りシングルも良かった。
いいネオソウル。
やっぱりこれもわかりやすくSASAMI、Lucy Dacus同様ですね。
何よりジャケットのインパクトが強い。謎の生物。さわやかなソウルですね。夏前にランニングしながら聞いた。
浮遊間のある男性ボーカルと楽曲のミステリアスさは深夜にぴったり。
スペイン語ポップ探そう活動の一環。謎のくくりではあるもののスペイン語ポップであるとなんとなくわかる。
私が音楽を探す次のやり方はBandcamp Dailyをちまちま見ることである。ジャズというジャンル付けになっているけど、よくわからない。ぼやっとした音像が心地よいミニアルバム。
スペイン語ポップを探す中でありがたいことに、TBSラジオの「ジェーン・スー生活は踊る」の毎週金曜日に行われている洋楽コラムの中で紹介してくれていた。スペイン語ポップは夏に良い。暑い日には暑い国の音楽を聞くべきなのである。
いまいちどう発見したのか思い出せない二枚組アルバム。軽快なエレクトロで気分が良くなる。
今年ソウルのなかでもそれなりに繰り返し聞いた。それも当然でリリースされたのが5月頃だからである。でも、良いよね。
唄で引っ張るシンプルでかっこいい。
https://music.apple.com/jp/album/1958/1473416234?at=10l8JW&ct=hatenablogmusic.apple.com
三度目の埋め込みの失敗。Blick Bassyの1958。2曲目がものすごく好きでただそれだけ。
Pedro Martinsのギターのうまさにいつもびっくりする。アルバムとしては、安定感、安心感があっていつ聞いても、うん、良いよねとなる。
"This Is How You Smile"というタイトルとジャケットの陽気さを裏切らないような温かさ。
このアルバムについて記憶をたどったとき、あるのは雨の帰り道。駅から帰ろうとしたらいい具合に雨が降っていて、自転車を引きながら歩いて帰ったのを思い出す。
Rough Trade Sessionとかいうミニアルバムも出しててこちらもいいですね。
去年リリースされたお湯の中のナイフも最高だったが、これも非常に良い。家にレコードプレーヤーがないけど、どうせダウンロードコードついてるでしょって思いながらLP版を買ったらなくて少し焦り、apple musicを確認したらリリースされてて一安心した思い出。12月18日にでる家主のアルバムも楽しみ。
先日、People In The Boxの波多野氏との対談で名前を知って聞いてみて、あんまりにも良くてものすごくショックを受けた。日本のバンド探しを半ば怠ってしまっていたが、こんなにもいいバンドを見落としてしまっていた自分にショックだった。
聞いて街をぶらつくと解像度のあがった街並みが見えた気になった。
思えば2019年の始まりはこれだった気がする。MoYuRuを聞いてから合唱コーラスがいたく心に響いたのか他の曲でもそういうものを聞くたびに少し涙してた。門田氏によればガンダムUCイメージらしい。イプシロンは泣いていたよのダサカッコよさ、瓦礫のオルフェオの退廃性、どれも最高です。
夏ごろに唐突にリリースされた過去曲をアレンジした「Lost Verse(s)」もかっこよかった。Analyseをこんな風に聞き直すなんて。
締めはこれでいいでしょう。
Kodomo Rengouを咀嚼しきれていないなかでの今作。2121から懐胎した犬のブルースは最高。
先日公開された「音楽と人」でのインタビューを読んでまた聞き直したいところ。
音楽と生活をめぐる旅。香川県へ移住したPeople In The Box波多野裕文を訪ねて | 音楽と人.com
12月はまだ3週間ほど残っているし、とりあえずの気持ちでえいやと選んだのでまだ見落としてあるので追加するかもしれない。
ただすでに一回選んだことに満足してしまってやらない見込みのほうがきっと高いだろう。